軸ブログvol.11『股関節』

股関節を動かす筋肉〜大臀筋〜

身体、動きに『軸をつくる』ボディワークスタジオ
BASE Conditioning Laboの山辺です。
前回、『大臀筋』について触れましたが
重要なところだけ少しだけおさらい。

  1. 大臀筋は人間の体で一番大きく強い筋肉
  2. 大臀筋の働きは股関節の伸展(脚を後ろに動かす動き)
  3. 大臀筋の働きが悪くなると、腰の伸展、ハムストリングスで代償する
  4. 大臀筋の働きが悪くなるとバランスも取りにくくなる

こんな感じです。

前回のブログで僕は初歩的なミスをしていました。
前回のブログを読んでくれた人からこんな質問があったんです。

『大臀筋って何?』

そこの説明をするのを忘れていました。
『小学生にもわかるように!』
『回れるだけ回り道をして!』
というのが今回の『軸ブログシリーズ』のコンセプトなのに
やってしまいました‼︎

大臀筋1

これです。
この大臀筋が発達するとこうなります。
ブッシュマン

大臀筋のポイントをもう一度おさらい。

  1. 大臀筋は人間の体で一番大きく強い筋肉
  2. 大臀筋の働きは股関節の伸展(脚を後ろに動かす動き)
  3. 大臀筋の働きが悪くなると、腰の伸展、ハムストリングスで代償する
  4. 大臀筋の働きが悪くなるとバランスも取りにくくなる

①の一番大きくて強い筋肉ということに関しては説明は不要だと思います。
②の『股関節の伸展』とは下の絵の右の動きです。

足を体の中心線よりも後ろに動かす運動を
股関節の伸展と呼びます。
この時に大臀筋が働きます。
働くはずなんです。
股関節伸展

③大臀筋の働きが悪くなると、腰の伸展、ハムストリングスで代償する。
今回はこれについて深く掘り下げていきたいと思います。

④大臀筋の働きが悪くなるとバランスも取りにくくなる。
そのままです。

大臀筋の働きが悪くなると・・・

Re-activating and strengthening the gluteal muscles

このページの説明では、
大臀筋が弱くなると

  • 腰痛
  • 足関節捻挫
  • ハムストリングスの肉離れ
  • 膝の痛み(前部)
  • アライメント異常(下半身の歪み)
  • 前十字靭帯断裂
  • 慢性的な足関節不安定症
  • 腸脛靭帯炎(ランナー膝)

など原因になると言っています。
さらにこれを書いている人は
In the case of low back pain, ankle and probably all lower body injuries, rehabilitation needs to focus on re-activating the gluteal muscles
「腰痛、足関節捻挫だけでなく下半身の運動器障害については『大臀筋』の訓練の必要性がある」
と言っています。

とにかく大臀筋が弱くなると
いいことなんて何もないということです。

なぜ大臀筋が弱るのか?

ずっと座っているから。

Lengthened gluteal muscles as a result of our sitting lifestyle leads to a decreased stabilizing function in the gluteus maximus
現代のライフスタイルでは長時間座ることが多く、それにより引き伸ばされた(弱くなった)大臀筋は(まっすぐ立つために必要な)安定させる働きが弱くなってしまう。

単純明快ですね。

大臀筋の働きが悪くなると、腰の伸展、ハムストリングスで代償する。

大臀筋が弱くなる

股関節の伸展力が弱くなる

それでも足は後ろに動かさないといけない

大臀筋の代わりに【腰】【足(ハムストリング)】を使って足を後ろに出す。

この『大臀筋の代わり』にというのを【代償】もしくは【代償運動】と呼びます。
さらにこの言葉は
『体に悪いからしてほしくないな!』
というニュアンスの時に使います。

バレエなんかであるアラベスクの時に
腰が痛くなる人は一度大臀筋を見直してみてください。

次は股関節を大臀筋、ハムストリングスの働きを中心に
物理的に解析していきましょう!!

楽しみ!

軸ブログvol.9『楽に動かすのか?速く動かすのか?』〜モーメントアーム〜

こんにちわ。
身体と動きに『軸をつくる』ボディワークスタジオ
BASE Conditioning Laboの山辺です。

 

『楽に動かすのか?速く動かすのか?』

タイトルにもある
『楽に動かすのか?速く動かすのか?』
具体的にこんな状況をイメージしてみてください。

 

【公園に生えている木の枝を折る】

 

この場合、一本の棒を両手に持って
『エイッ』って折る場合ではなく

枝を折る
地面から生えている『木』の枝を折る場合を
イメージしてみてください。

 

枝を折る

 

 

クオリティの下がり方に一抹の不安を覚えますが
おそらく、これで皆様が一様に同じイメージを
抱いて下さったのではないでしょうか 😆

この枝を折る場合
【あなたならどの辺をもって折りますか?】
というのが今回のテーマです!

 

こんなイメージですね。

もし『A』を選んだなら
相当、腕力に自信のある方か
人と同じことはしたくない!という天邪鬼な方だと思います。

なぜ『B』の方が楽なのか?

ほとんどの方が無意識的、経験的に
『B』を選んだのではないでしょうか?
なぜ、ほとんどの方が『B』を選んだのか
考えてみましょう。

経験的に考えれば
『枝の付け根から遠いところを持った方が
楽に折れるから』

 

と説明する事ができますが
実はこれが前回の内容で出てきました
『力のモーメント』で説明が出来るんです。

力のモーメントとは

『力のモーメント』とは『物体を回転させる力』
だった事は覚えていただいてますでしょうか?

 

今回の『枝を折る』という作業において
何が回転しているのかというと、こういう事です。

枝折るモデル

枝の付け根を支点に
回転するように動いています。

その枝を回転させるように力を加えて
折るわけですね。

 

で、今回の問題は【どこに力を加えるのか!】
という事です。

 

これを物理的に考えると
【支点からどの距離にどれだけの力を加えるのか】
という事になります。

この支点から力を加えた部分までの距離の事を
モーメントアームと呼びます。

 

釣り合い

少しだけ話題を変えましょう。

 

釣り合い

『?kgには何キロのオモリを吊るせばこの棒は釣り合った状態をキープできるでしょうか?』

小学校か中学か高校の時にやりましたね!
支点からオモリを吊るした点までの距離
吊るしたオモリの重さをかければいいんでしたね!

 

 

この場合
支点から左側が
5(㎝)×3(kg)=15

になりますので。

15(㎝)×?(kg)=15

に成ればいいので
吊るすオモリの重さは1kg
という事になります。
この支点からオモリを吊るす点までの距離も
ある意味モーメントアームという事になります。

何が言いたいのかというと
モーメントアームが長くなれば長くなるほど
少ない力で物体を回転させる事ができるという事を
理解していただきたいのです。

 

そこで今回、問題にしているのはこれでしたね。

“『A』と『B』どちらの方が楽に折れるのか?”
多分『B』の方が楽に折れるという事はイメージできると思いますよね!

という内容でした。

今回やった内容で
『なぜ楽なのか?』
という事を説明してみてください。

もちろん『モーメントアーム』
という言葉を使っていただければ嬉しいです。

僕なりの言葉で説明するなら
『A』よりも『B』の方がモーメントアームが長くなるので
より少ない力で枝を折る事ができるから、
『B』の方が楽に折れる

という感じで説明します。

 

やっと戻ってまいりました!肩関節のインナーとアウター!

このイラストを覚えていただいておりますでしょうか?
久しぶりに登場しました。

そもそもこれの話をしてたんです。
もう分かりますよね!

 

以前、
インナーマッスルは求心力を生み出し
運動の支点をつくる働きが働きがメインで
『関節運動時の動的な支持に作用する』

そして、
アウターマッスルは
『大きな力を生み出し関節を動かす』

という話をしたと思いますが、
肩関節においてアウターマッスルにあたる
三角筋はインナーマッスル(棘上筋)よりも
停止部を遠くにとる事で
モーメントアームを長くして
効率よく肩関節を動かしています。

肩筋モーメントアーム比較

 

このように
棘上筋の生み出す求心力=回転軸を安定させるインナーマッスルとしての作用
三角筋の生み出す関節を動かす力=大きな力を生み出す作用
関節を動かす時に、この二つが力が
絶妙なバランスで働くことで動いています。

これは肩でけではなく
股関節をはじめ体幹部や体の各所で
行われていることです。

どうでしょうか?
まだインナーマッスルだけを鍛えた方が良いと思いますか??

 

もちろんアウターマッスルだけでもダメですね。
じゃあどうしたら良いのか!

ここからは僕の経験による考え方なので
『そういう考え方もあるのね!』
と思っていてください。

僕は関節運動の主役はアウターマッスルだと思っています。
まずアウターマッスルありきで、
それに必要なだけのインナーマッスルがあるかどうか?
という考え方をしています。

『いやいやインナーがあるからこそ
アウターが活きるのだからインナーが主役でしょ!』
という方もおられると思いますが
それはそれで良いと思います。

結局は同じところを目指していることには変わりないので!

 

軸ブログvol.7『外から動かすから軸がぶれる・後編その3』

まずは前回の復習

おはようございます。
身体と動きに『軸をつくる』ボディワークスタジオ BASE Conditioning Laboの山辺です。

『筋肉の働きは?』
『この絵ののおかしいところは?』
筋肉のイメージ1

覚えていますか?
もし『忘れてしまった』という方は

軸ブログvol.6『外から動かすから軸がぶれる・後編その2』

こちらをご覧ください。

『そんな時間ないよ!』
というお急ぎの方のために
前回の要約だけ。

  • 筋肉の働きは『縮む』という事

筋肉モデル

 

 

  • 筋肉の長さが縮んで短くなることでその両端の骨を近づける方向に動かす力を生み出す。

上腕二頭筋モデル

  • その筋肉が骨に付いている場所を『起始』『停止』とよ呼ぶ
    (一般的に動いていない方についている部分を『起始』、動いている方の骨に付いている部分を『停止』と呼ぶことが多い。)

これが筋肉を考えるときの基本です。

これが分かれば筋トレもストレッチも理解したも同然です。

ただ、カラダにある筋肉の数が少し多い(大体600個と言われています)のと
一つの筋肉に『起始』複数あったりするので覚える量が多くて困るだけですが
これはひとえに『慣れ』ですので頑張ってください。

 

では前回の続きに参りましょう!

1.【回転軸】回転中心を固定する

まずはこちらを見てください。

 

『サイドレイズ』という肩の筋肉『三角筋』を鍛えるエクササイズです。

それをイラストで書くとこんな感じです。

 

三角筋

 

 

前回見ましたね
腕を横から上げる時の簡単なモデルです。
解剖学的には『三角筋』による『肩関節外転』です。

ただし、これでは前回お話ししたように
物理的に考えると脱臼してしまいますよね。
『外転』ではなく『上にずれてしまう』力の方が大きいからです。

外転三角筋だけ

そこで今回はここに注目してみてください。
外転三角筋骨運動

上腕骨と肩甲骨が、文字通り『関節』している部分です。

正常に腕を挙げるためには『緑』の点を中心に回るように動く必要があります。
これを可能にしているのが前回の最後に書いた『インナーマッスル』なんですね。

実際にはどうなっているかというと

2.肩のインナーマッスルの代表格【棘上筋】 

棘上筋

 

こんな感じで働いている筋肉があります。
このイラストの中で『棘上筋』と書かれているものです。

この棘上筋三角筋と共に働くことで中心をブラすことなく
『外転』運動を可能にしているわけです。

 

よく見ていただくと分かると思いますが
棘上筋は三角筋よりも関節に近い『内側』にありますよね。

それが『インナーマッスル』と呼ばれる所以です。

 

3.棘上筋のポイント1〜求心力〜

この棘上筋のポイントは2つあります。
1つ目は三角筋が外向き』の力と『上向き』の力が発生したのに対し
棘上筋は上向き』の力と『内向き』の力を発生するというところです。

 

棘上筋三角関数

Fss:棘上筋(SupraSpinatus muscle)の引っ張る方向

Fv:棘上筋の発生する力の垂直方向成分

Fh:棘上筋の発生する力の水平方向成分

 

この内向きの力がうまれることで、
上腕骨頭を肩甲骨関節窩(受け皿)に押し付ける力がうまれます。
この『骨を関節面に押し付ける力』を『求心力』と呼ぶのですが
この求心力を生み出すことこそが『インナーマッスル』の一番重要な役割です。

4.棘上筋のポイント2〜押し下げる〜

棘上筋のポイントは2つあると言いましたが
2つめは、

棘上筋が収縮するときに筋肉自体が骨頭を

『下向きに押し下げる力が発生する』

ということです。

 

棘上筋押し下げ

 

イメージとしてはこんな感じです。
この力が生まれることで三角筋および棘上筋の垂直方向の成分『上方向に外れていく力』を打ち消して、純粋に腕をあげる力【求心力】と【三角筋の水平方向成分】が残ることになります。

 

三角関数合成

 

ここで一度ざっくりまとめておきますと。

 

肩関節の外転運動における
インナーマッスル(棘上筋)はあくまでアウターマッスル(三角筋)の補助をする役割だということです。

三角筋は『外転力』を、
棘上筋は『求心力』を生み出すわけです。

 

5.運動学の影の主役【力のモーメント】

ここまでくれば物理的、数学的に考えるのにも慣れてきた頃でしょうから
もう一つ専門用語をお勉強していきましょう。

『力のモーメント』

という言葉です。

 

でも安心してください!

実はもう既に前々回、前回と今回のブログの中で、
『力のモーメント』というものには知らず知らずの内に触れていますので
おさらいと解説だけでいいと思います。

思い出してください。例えばこれ。

外転中心

これも。。。そう

三角筋骨運動

覚えていますか?

外転三角筋だけ

最後にもうひとつ。

棘上筋これら全てが『力のモーメント』です。

 

 

簡単に言えば『モノを回転させる力』のことです。

どこか一点を固定しておいて
その固定したところ以外に力を加えると
そのモノは回転します。

この『回転』させるための力の大きい、小さいを求めるのにとても役に立つのが
『力のモーメント』といわれるものです。

 

人間の体の動き、関節運動のほとんどは関節を支点とした
回転運動がほとんどなのでこの『モーメント』(性格には力のモーメント)を理解することは、運動学を理解したと言ってもいいのではないか!というほど便利なモノなので是非慣れてください!

 

ここで肩関節のインナーマッスルとアウターマッスルの話に戻りましょう。

 

棘上筋

 

『腕をあげる』ということに関して
『棘上筋と三角筋』どちらの方が効率がいいでしょうか?

 

この絵を見て直感で答えてみてください。
もしあなたが筋肉になった場合どちらの筋肉になった方が楽に腕を持ち上げられると思いますか?

 

もちろん三角筋になった方が楽ですよね!
これはじーっくりと次回解説したいと思います。
すみません!

やっぱり今回でも終わり切りませんでした。
このブログを書く何回か前に

 

『アウターマッスルは関節運動における大きな力を生み出し
インナーマッスルの動的な支持機構に関与する』

ということを書きましたが
今回の内容でなんとなく理解できるはずなのですが
『まだわからん!』
という方は

『そもそも軸って何?vol.3』
http://base-conditioning.com/axis_vol-3/

あたりから5回づつほど読み返してください。

 

よろしくお願いいたします!